前略。スターリン(旧ソ猫を噛む)

好きなドキュメンタリーと音楽と旅を楽しむ前提で原発の今

ソ連映画の遺産『炎628』

昨日届いたDVD『炎628』を開封。もう何度も書いているベスト映画のひとつ。でも人に勧める気はなし。ナニシロ感想重たいこと限りなし



特典映像で映画監督エリム・クリモフ、美術監督ヴィクトル・ペトロフ、主演の当時少年だった俳優アレクセイ・クラフチェンコのインタビューが収録されている。戦時中の宣伝映画もあり。


原題のИДИ И СМОТРИは直訳すると「来て見て」になるが、監督の話で黙示録のなかで繰り返し出てくる「生きて、見よ」なるフレーズから採った事を知る。85年の制作も元は7年間中断していたそうで、脚本は共同執筆「ヒットラーを殺せ」がタイトルだったという。監督の口から『自分自身の内なる独裁者を殺せ』という意味だと補足がある。悲惨で長い映画のあのラストまで我慢できなかった観客にはこの『ヒットラーを殺せ』がテーマだと誤解したのではないかと心配してしまう。


 記録映像を巻き戻す事によって殴られるような問いかけで終わる。が、そこまで残虐で悲惨な長いシーンはビデオやDVDで観る者には指先の早送りで無視されるかもしれない。
いや、それは映画だけじゃないか。