2005-11-18 「満洲とは何だったのか」 book ISBN:4894344009多数の各国執筆者がそれぞれのテーマで短い文章を載せている満洲研究本。 「大連のアヴァンギャルドと北川冬彦」和田博文著満洲で育った詩人北川冬彦の作品「壊滅の鉄道」「汗」の解説が載っている。当時流行ったシュールレアリズムのなかで試行錯誤する詩に、ふわふわした甘さもまったく無く。中国人苦力への視線は強烈。この詩人の満洲時代の作品をもっと読みたくなる。 ここから更に満洲関連本へススムのはよいことかも。個人的にはスタッズ・ターケルの大勢混濁インタビュー本のやうな「満洲」本を読んでみたい。満映で働いていた中国人側の苦悩も、日本人側の甘い思い出も、ぐちゃぐちゃで丸ごと塊の。