前略。スターリン(旧ソ猫を噛む)

好きなドキュメンタリーと音楽と旅を楽しむ前提で原発の今

チベット本浸け

ウイグルと違って、日本でのチベット本の出版数は異常に多い。旅に出る前に何冊か読んではブログにヘタな読書感想文を書いてきた。聖山巡礼
この本は85年の旅と調査について書かれていて、今から20年も経つが、それでも行く前に読んでおくべき内容だった。無念。


副題チベットの聖山カイラス』『巡礼者たちと通い婚の村』
中国全土で65年から約10間続いた文化大革命、どういうわけかチベットでは収束するまで更に10年近くも罹ったという。当時は伝統や古い迷信を破壊するのが日課だったので、当然巡礼も禁止で寺も壊し放題。
それがやっと終わり、巡礼も許可されるようになってから間もない時期の現地録。


カイラス巡礼者への調査はとても興味深い。
当時から人口の多い東チベットからの巡礼者がほとんどなのが解かる。先々で喜捨を受けながら三千キロ先から歩いて来たり、若い女性二人が親にも告げず家を出て来て巡礼していたり(おいおい)、ヒツジを68頭連れて遊牧しながらやってきたりと様々。


この時期は未だ文革の傷跡が人々に生々しく、巡礼の動機に多くの罪を許してもらうため、文革で死んだ肉親への追悼、などあったりする。・・・・・・・・。


殺生を巡礼中は忌み嫌う箇所が出てくるが、自分が行った時は麓の大金の村の真ん中でヤクの解体を堂々とやっていた。カイラス巡礼は将来便利になり、西チベットの中心アリで空港が造られるらしいと書いてあるが、20年後の今も「お話」で止まってるのが苦笑するところ。


本日ニュースで二人乗り有人宇宙船の神舟6号が打ち上げ成功とか。
昔読んだソ連時代の東欧小話を思い出す。

ルーマニアの田舎の村で遊牧民のやりとり。
「おーい。じいさまぁー」
「ほ〜い」
「ロシア人がなぁー 月に行ったってよぉー」
「・・・・・・皆んなか〜?!」

ルーマニアチベットに替えてリサイクル。