天山山脈薬草紀行

『天山山脈薬草紀行』難波恒雄・池上正治著ISBN:4582829651
95年夏の新疆ウイグル自治区をぐるりと日中合同薬草調査の記録。
自生している険しい山から市場で売られる街角まで、薬草の専門家なので学術名や民間医療の効能まで書かれて、正直読み手の読解力は危ういけど、それでも薬草から観た異国は充分面白い。
霊験あらたか砂漠のドラックストア

古くはギリシャから伝わるイスラム文化圏の「ユナニ医学」と呼ばれるものが今復興中のウイグル医学と結びついている。中国の中医学とインドのアーユルヴェーダともに世界の三大伝統医学と呼ぶそうな。

西洋薬を売る店もあるが、民族系の薬売りは麻袋にそれぞれ生薬を詰め込んで量り売りしている。八百屋ならぬ「八十袋屋」と言うオシャレさん。現地で調子悪くなったら生薬屋を探そうと楽天的になる。