前略。スターリン(旧ソ猫を噛む)

好きなドキュメンタリーと音楽と旅を楽しむ前提で原発の今

ルート181

ルート181パレスチナイスラエルの旅の断章

Route 181,Fragments of a Journey in Palestine-Israel
(2003年フランス・ベルギー・ドイツ)作品公式HP
http://www.momento-production.com/route-181-gb/index.htm

実現しなかった1947年の国連のパレスチナ分割議決書181のパレスチナイスラエル間の境界線に沿って南から北へ車を走らせてながら出合った人々のインタビューを納めていく。277分長編ドキュメンタリーの三部構成。
土地を奪われたパレスチナ人達、建国からの老ユダヤ人達、アラブ系ユダヤ移民達、検問所の兵士達。行く先々で人々が饒舌にカメラの前で語りまくる。


軍に包囲軟禁されているパレスチナ人の替わりの労働力として中国からの出稼ぎ者達が海辺の分譲マンション建設現場に映っている。


南部の小さな売店イラクユダヤ移民の老人が商っていて、一昨日見た「忘却のバクダッド」の4人の老人達と心象が重なる。


エチオピアからの移民の歓迎レセプションで、褐色のユダヤ人が並んで居心地悪そうに座っている。女性は顔に首に刺青をしている。
ユダヤアシュケナージ(ヨーロッパ系ユダヤ人)のイメージはステレオタイプだと理屈で分っていても、映像でアラブ系、アフリカ系ユダヤ人を見ると未だ混乱する。


旅行中のテルアビブでロシア語看板が多かったのを思い出す。
移民が出身地国ごとに固まって暮すモザイク状の市民構成。


インタビューのお約束として、占領者側の市民にその土地の昔のアラブの地名を訊く。老人達は目を輝かせながら「開拓」を自慢するが、悪徳不動産屋のイメージが拭えない。それでもアラブとの共生を探りデモに参加して、兵士に痛めつけられるユダヤ人も映し出されている。




映画祭一番の人気か、約400人弱?が鑑賞。
2月のプレイベントでの上映が好評だったらしく、三百枚前売り完売状態。
休憩2回を挟む長編を名画座並みの低料金で観れるのは流石「財団」か。
下準備と開催へ関係者に感謝あるのみ。
客層も映画の内容に似て様々。知識分子、旅好き、変な映画好き、その他、老若男女混在。リタイヤしたお客も希少だった。