カサブランカの天使

「カサブランカの天使」In Casablanca The Angels Don't Fly（2004年モロッコ・伊）
喧騒の都市カサブランカへ出稼ぎに来ている、アトラス山出身のベルベル人三人の男達の忙しい日常と故郷に残してきた大切なものとの溝を描く。
車が渋滞迷走する街中を、ウエイターはお盆を持ったまま泳ぐように進み、バスの横や荷台の上から映すスレスレのカメラワークが面白い。雑踏に合う音楽も不思議な魅力を感じた。
非アラブのベルベル人が多いモロッコの現状や、地中海を飛び越えて出稼ぎや移民を熱望する男達を、村落に残された女子供達を生々しく描かれたのが現地で大ヒットした理由なのだろうか。

北アフリカの変化に富んだ地形や気候を知らないで観ると、雪山の村に、草原を駆ける馬に驚くかもしれない。映画の中でベルベル語を初めて聴いた。

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アラブ映画シンポジゥム
上映されているシリア・チェニジア・エジプトの各監督を招いて行われた。
エジプトの娯楽映画産業と、他の国営出資の映画作家と同じテーブルで論じられることの矛盾が多々見られた。95年の零落から翌年エジプト映画業界に様々な革命が起きたという。

文化交流事業なので文芸モノの紹介に偏るのは仕方がないが、地元の人が楽しんでいる普通の娯楽映画が観たい。