前略。スターリン(旧ソ猫を噛む)

好きなドキュメンタリーと音楽と旅を楽しむ前提で原発の今

チベット巡礼

ネーコル―チベット巡礼 (プラネット・ライブラリー)ここ数日チベット関係の本を読み漁っている。今日は時折強い雨音を聞きつつ
『 ネーコル チベット巡礼』伊藤健司著を読み終える。
著者ご本人のサイトを見ると、三部作の第二部にあたる。

読み手に秘境や密教に想い入れがなくとも、暫く無音の余韻が残るような希少な本。
残念ながら現在絶版。


垢とバターの臭いをさせた人々の、非効率な動作と祈りのかたち。国境かまわずヒマラヤの裏から歩いて来るボロボロの聖者たち。
時折、秘境好みの観光経済に、著者はあらがえない諦めを語り、あわないチベット料理に、漢人の中華料理で落ち着かせたりもする。街々での公安とのやり取り、野犬に緊迫した道々もあり。旅の目的、標高5千メートル強で一周51キロのカイラス山巡礼を遂げる。



ページをめくって突然目に飛び込む、地に投げ出された足の写真。鳥葬の解体描写には、凄惨か自然な姿なのか混乱する。
生き物は最期にきちんと食われる・・・そんなことすら忘れていた。