前略。スターリン(旧ソ猫を噛む)

好きなドキュメンタリーと音楽と旅を楽しむ前提で原発の今

「テロリズムとケバブ」

Elirhab Welkabab「テロリズムケバブ92年エジプト/116分
リアル/アラブ映画祭 アテネ・フランセで鑑賞。
主演のAdel Imamはエジプト映画界の喜劇王。ポスターを検索すると沢山出ている。
協力する売春婦役の女優Youssraも国民的女優とか。
あらすじは、子供の学校の転入許可を貰いにカイロの中央庁舎を訪れた主人公が、2週連続で部署をたらい回しにされた挙句、激高して警官ともみ合ったはずみで銃を手にしてしまう。癖のある協力者たちを得てフロアを占拠。巻き込まれた人質もやがてストックホルムシンドロームに陥って犯行側と一体感を持つようになる。乱射や爆発はあっても最後まで人は死なないコメディ。


包囲する内務省側も政府も相当滑稽に描かれていて、警察や軍の協力を得て作られた作品にここまで風刺を効かせられるのは好い。


人質解放の条件として要求を聞かれ、とりあえず「ケバブとコフタ」と要求した後の、最後通牒で本当の「要求」を人質ふくめ皆に聞いて回る主人公の状況が面白く悲しいところ。日常に行政や政府への不平不満を言いながら、いざとなると無口になる大衆に既視感。


●リアル/アラブ映画祭のチラシを見てこの作品が素直に面白そうなので、
定員130席のところ椅子を増やして通路にもしゃがんで観る客も数名出た。
ビデオとはいえ字幕付で日本初上映。文芸モノや重い社会派と違う娯楽作品なのでもっと客を呼べそうな気がする。

4月中旬から赤坂のアラブ映画祭2005のチラシを貰って、このスケジュールにまた1日3本観る予感が・・・ううう。