聖地の渾沌
通勤中に岩波黄色8「ヒンドゥー教とイスラム教」荒松雄著を読む。
背表紙まで黄色く焼けた古い文庫本。77年初版。
以前に市民講座で著者ご当人の単発講義を受け、とても細身なご老人の印象あり。
昔推理小説を出版したこと。戦後すぐにベナレス・ヒンドゥー大学へ留学し、物の豊かさにカルチャーショックを受けたことなど語られていた。ウルドゥー語を駆使して中世南アジアのイスラム文化や建築を研究されている。
イスラムは厳しい戒律ばかり喧伝されるが、歌い踊るスーフィーや酔いどれ詩人の聖者廟参拝。天使からジンまでの民間精霊信仰を知ると、ヒンドゥー教徒の極彩色で生々しい神々信仰とそう変わらない愉快なものかと思う。
■94年に2ヶ月行っていたインド旅写真を貼ってみる。