前略。スターリン(旧ソ猫を噛む)

好きなドキュメンタリーと音楽と旅を楽しむ前提で原発の今

ワイルドバンチ

THE WILD BUNCH サム・ペキンパー監督(69年米)
今日はマイベスト3の映画の話を書けそうな気がするので。
ま、バイオレンスとか古い西部劇と決め付けないでおくんなせえ。


20世紀の初め。時代遅れの強盗団『ワイルドバンチ』。それを追う悪徳保安官と昔の仲間が率いる賞金稼ぎの群れ、メキシコに逃れマパッチ将軍に付きながら内戦状態の中を迷走する。ラストシーンの機関銃の乱射がペキンパーの代名詞にもなった。


映画冒頭で、道端の子供たちがサソリを蟻の群れに入れ、枝で突っつき遊ぶ。
眼を輝かせ無邪気に笑う天使たち。騎兵隊に偽装したワイルドバンチと交差する。
銀行強盗が包囲されていると知るや、膠着状態に。知らず道なりに教会からやって来た聖者の行進に飛び込んで老若男女を盾に銃撃戦になる。当時の娯楽映画のルール「女子供は傷つけない」など嘲笑うように。


悪党が群れ同士で殺し合う、死体を所持品を奪い合う。
友情など持ちえない悪党が、仲間を救いに死にに行く。
恐ろしく粗暴で、疲れ果てた野郎ばかり、ただただ惰性で殺し合う。
スローモーションの「殺しの美学」などの映画評は馴染まない。
綺麗な褒め言葉など無用のこの映画を、名画座で架かる度に繰り返し観た。


ひとの無邪気な残虐性は幼年期の証なのかと、明るく言ってみる。