前略。スターリン(旧ソ猫を噛む)

好きなドキュメンタリーと音楽と旅を楽しむ前提で原発の今

一期一会エラー

昨夜歌舞伎町で会った友人とは、93年の夏にカイロの安宿「ホテルビューサイト」の食堂で初めて会った。安宿といっても都心の繁華街を見下ろす古い高層建築の7階にあり名前に偽りなく、骨董品のようなむき出しのエレベーターは4階と5階の間でガリガリ擦っていた。夏の暑いシーズンオフのせいか客も疎らだった。都市特有の熱気とスモックに覆われて、夜になっても涼しくならず、朝は蚊からハエに替わって起こされた。自分はトルコ・イスタンブールからすぐ高速バスを乗り換え、シリア・ヨルダン・イスラエルの順で1ヶ月目にエジプトに入った。彼はイスラエルキブツ各地で半年近く働いてカイロに入っていた。パレスチナ問題関連本をいくつか読んでいたので自分のイメージの「キブツ」は、イスラエル軍が住民を強制立ち退きで破壊した村々を開墾地と称し、インフラ完備の大規模農園を造り、コミューンに理想を抱く世界中の若者を集めて超低賃金で働かす処。おおよそこんな想像だった。


体験談を聴くと、英語の修行?目当ての日本人の若者たちが結構いたという。それもグループで……。シリア国境のキブツ(人間の盾か?)ではよく爆音を聴いたと淡々と話す。金曜の安息日前夜の宴会が楽しみで働いている若者も多いとか。ウオッカを無理やり飲まされて記憶ない状態で写真を撮られたりして、楽しいんだかなんだか解らない無国籍状態。風邪をひいて高熱でも平日は休ませてもらえなかったとも。話さないと解らないもんだなあと腐れ縁は続く。