前略。スターリン(旧ソ猫を噛む)

好きなドキュメンタリーと音楽と旅を楽しむ前提で原発の今

援助貴族は貧困に巣喰う

長い休みでないと読めない気の重い本を読む。
援助貴族は貧困に巣喰う
「援助貴族は貧困に巣喰う」グレアム・ハンコック著 原題Lords of Povrety88年英


色々なNGO団体などが経済サミット会議の主催地に乗り込んでは猛烈な抗議アピールをしているが、開発援助をうたう世界銀行グループの実体を告発した先駆けと思われる本。災害・貧困飢餓に取り組む国連機構や、欧米の大きなNGOまで現場の「やりくち」を名指しで非難している。勿論NGO攻撃が主旨ではないと書いてはいる。それでも関係のない楽な場所で悲惨な映像を造ったり、過剰な寄付金集めや、信仰強制の援助やら盛り沢山で頭が痛くなる。これらのNGOは改善されたのだろうか?最近出版された本を読むかぎりIMF国際通貨基金世界銀行に変化はみられない。


80年代のエチオピア飢餓キャンペーンで「バンドエイド」など日本でもヒットした。まもなくしてドキュメンタリーや書籍などでエチオピアが飢餓に陥った大きな要因は、世界銀行エチオピア政府の債務返済の為に換金作物の綿花しか作らせなかった事だと知った。


痩せた土地に無償で井戸を掘っても、後に地主が金を取って使わせていたりと
そこでの利権や横領掠奪などで裕福層のみが肥えていく。
戦後の賠償金からODAまで現地で使われるのは独裁政権への貢物なのだろう。
総合商社はガラクタを売りつけ、道路や巨大プラントで日系企業が稼動する。


未だ身近で「貧乏な国は皆汚くて愚か」とか「子どもばかり作って」と聞く。
「かわいそうな人たち」と訳しても煮えきれない。