前略。スターリン(旧ソ猫を噛む)

好きなドキュメンタリーと音楽と旅を楽しむ前提で原発の今

三遊亭圓朝の明治

三遊亭円朝の明治 (文春新書)

三遊亭円朝の明治 (文春新書)

本朝より「三遊亭圓朝の明治」矢野誠一著を読み始める。
江戸から明治に活躍した落語の人情噺、怪談芝居噺の開祖。
このひとも偉人伝的な伝説が多い。そこを検証しつつ時代背景を追った書。
40歳を目前にして山岡鐵舟と出会い、禅に傾倒していったという。
1960年代に欧米で禅の思想を伝えた鈴木大拙以降、禅の社会的効力はみられない。



それでも禅僧は面白い。臨済の弟子の普化(虚無僧の開祖)。一休。桃水。逸話の中では異端の破戒僧なのだけれど、実情はさだかではない。キャラが際立っているために、後世の勝手連が屍骸を躍らせて物語や名言を作り続けるので。室町時代に生きた一休が実は天皇の御落胤という説は信憑性がない。それでも血液型占いのように風説は巷でもてはやされている。故人には言いがかりに等しく侮辱ではないかと思うけど、血統を騙らないと愛せない国民なのかとも。有名な句『正月は冥土の旅の一里塚、目出度くもあり目出度くもなし』などは江戸になって整備された一里塚を読んでいること自体不自然。もっとも自分も以前日記に江戸の作を一休の句として説明なく載せている。


大河ドラマといい結局死人は現代人のオカズなのか。
イラクで殺された外務省書記官の扱いを見よ。
尊い犠牲とイラク復興の遺志を継いで〜』と派兵の詭弁に侮辱されている。