前略。スターリン(旧ソ猫を噛む)

好きなドキュメンタリーと音楽と旅を楽しむ前提で原発の今

ロッキー再評価

博覧凶器強記な知人の好きな映画ベストワンをDVDで借りてもう三週間くらい経つ。観なきゃいけない義務感でずっと先延ばししていた。ロッキーシリーズはテレビ放送でしか観ていないけど、記憶とは嘘をつくもので、今日観たらまるで別の作品のようだった。力強い試合場面と扇情的なテーマ曲ばかりを、ループ状に刷り込まれたせいか・・・実際サクセスストーリーとは程遠い内容。陰鬱な作風とも、当時は画期的な映画だった。
DVDの特典映像で製作者達のインタビューが聴ける。
試合シーンの8ミリテストも観れるサービスぶり。


映画の中でフィラデルフィアの最底辺の人々がイタイほど描き出されている。
食肉処理工場、プアホワイト、陽の目を見ないユダヤ人老トレーナー。
マフィアの高利貸し取立て・・・。ロッキーを取材するTVレポーターが黒人女性なのは先駆的だったという。ただ、相手役のチャンピオンが黒人なので、白対黒にならないための「バランス」なのかとも勘繰る。
大体、オリジナルラストもしんみりする様なものだったとか。
試合場面でのシーンの臨場感は、肉を通して骨が砕けるような音など凄く。
プロボクサーだった友人の試合を、以前後楽園で観たときの悲惨な音が蘇る。