高校時代の英語教師

今思い出しても、屈折した大人だった。教科書はおざなりで、
狂言回しの様な雑談授業をしていた。
記憶が遠くなるほどに引っかかってくる語り口。
終戦間際に子供だったその教師は、友達と遊んでいるところを米軍の戦闘機に
見つかって、逃げ惑いながら機銃掃射を受けた。面白半分な飛行機が去った後
二人とも助かった・・・と思ってうつ伏せの友達を揺り起こしたら、
反対側の身体の肉が削げて血が出ていたという。
憎しみもなく淡々と語る記憶あり。
そうして地元のやる気のない生徒を相手に英語を教えている人生ってなんなんだろう。
戦後の日本米軍統治がイラクと決定的に違う事は、
国民が徹底的に心底叩きのめされたことか・・・