前略。スターリン(旧ソ猫を噛む)

好きなドキュメンタリーと音楽と旅を楽しむ前提で原発の今

フェアトレードとは何か

フェアトレードとは何か」ISBN:4791761510
90年代の後半頃から日本でも認知されてきたと思う。
ドキュメンタリーでの紹介や、近所の狭いスーパーに中南米有機バナナが一本二百円代で置かれたのを見た。本書では英国人ジャーナリストの著者が、世界各地のコーヒー・カカオチョコレート・バナナ・ジーンズの生産地を取材してフェアトレードの取り組みを紹介している。


■バナナの章ではグアテマラ多国籍企業の農園の惨状と、隣のドミニカの有機無農薬の取り組みの違いが書かれている。80年代の鶴見良行著『バナナと日本人』ではフィリピンでの多国籍企業四社のバナナ農園の巧妙なシステムが書かれていたが、農薬漬けと季節労働者へのイカサマ債務労働使役は未だ健在らしい。本書の方がより陰惨に書かれている印象が気になる。(例えば『バナナを一度も食べた事がない』とか。ガーナの「チョコレートを食べた事がない」は本当だろう。)フィールドワークと啓蒙書との違いか。


■ブルー・ジーンズの生産は想像以上に酷い状況。知りませんでした。
90年代のナイキ工場労働製品へのボイコット運動を想起させる実情。