前略。スターリン(旧ソ猫を噛む)

好きなドキュメンタリーと音楽と旅を楽しむ前提で原発の今

『オリガ・モリソヴナの反語法』

オリガ・モリソヴナの反語法 (集英社文庫)

オリガ・モリソヴナの反語法 (集英社文庫)

(「はてな」本解説に詳しく親切な解説あり。)
昨日から読み始めて予想通り没頭するも、電車移動中や乗り換えで細切れで読む「朝の連ドラ」状態。楽しくも妙に落ち着かないと思ったら、午後恵の雨。帰宅後に一気に読破。


小説というジャンルに読み慣れないので、大凡楽しみ方がズレているはず。ノンフィクションとして書かれた『嘘つきアーニャの真っ赤な真実』の大人版かとも。
1930年代から〜60年代の著者のチェコプラハ小学校時代〜そして謎解きの現在と。
話は小学生時代の親友との懐かしい再会と、恩師の先生の謎に満ちた人生を探っていくもの。
スターリンの粛清時代やベリヤの側近、収容所の体験、沢山の実話を織り込んでいる。
関係書籍を色々読みかじって麻痺しているので、この小説(形態)がどう読まれるのかちょっと想像がつかない。伏線も沢山あるし謎は収束するけど、「作り話」とは違う。どこまで小説なのか解らない。


人はどんな悲惨な実話にも麻痺して抗体ができてしまう、すぐれた怖さを持つ。
歴史の検証は『死者の名誉回復』の為もあるが、今の救済には使われない。
天国は現世にしかないのに。←あえて今日だけ言い切り