ひかり
YEELEN BRIGHTNESS 邦題「ひかり」88年4月公開
1987年マリ共和国 スレイマン・シセ監督
アフリカの自然の中で呪術師の父と子の運命付けられた決闘の物語。
「旧約聖書」と無関係な宗教世界がここに映し出されている。
これが凄まじく新鮮だった。
(あらすじ)呪術師の家系で、将来自分を殺す運命にある子供を、父親が殺そうとするが母親が逃がす。そして転がるような旅の中で青年は呪術師に成長して帰ってくる。
ギリシャ神話にも似た物語の原型かとも思うが、無駄な言葉は語らない。
アフリカの熱砂から泥や木や水まで大地の質感が伝わってくる。
監督は60年代に奨学金でソ連の国立映画大学で学ぶ。
帰国後はマリ政府情報省映画部でニュース映画やドキュメンタリーを製作。
(フィルムアート社「ワールド・シネマ!」参照)