アジア映画小事典
- 作者: 佐藤忠男
- 出版社/メーカー: 三一書房
- 発売日: 1995/12/01
- メディア: 単行本
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中国、香港、台湾、韓国、北朝鮮、モンゴル映画の作品紹介と各国映画史を複数のライターで解説している。95年発行なので、おおよそ十年前のガイドブックになってしまう。こういった良質の解説本がこれからも出版される事を望む。
望みながらブログで俺流紹介してしまう厚かましさをご容赦。
★中国映画編
初めて観た中国映画が何だったのか・・・。
「文革」で印象に残っている作品を列記すると
芙蓉鎮(87年)謝普監督
子供たちの王様(87年)陳凱歌監督*1。
胡同模様(85年)出演。朱旭*2
日本でヒットした「初恋のきた道」
監督チャン・イーモウ(00年・原題「我的父親母親」)
を観て思った。25年を経てついに「文革時代」を純愛の「御伽噺」にしたと。
陳凱歌「子供たちの王様」には痛いリアリズムがある。
黒板に書かれた単語一つ本来の意味も知らずに黙々と書き写す子供たち、
それを見て愕然とする主人公・・・。教室でのやりがいを見出した途端の
辛いラストが印象に残る。
文革時代の映画は重い内容になる。色々と上手な監督とはいえ
それが四半世紀過ぎた今、文革+ラブストーリーになるとは・・・
カナダ製作の「レッドバイオリン」でも当時の破壊と憔悴が描かれていた。
被害者約1億人。死亡者数千万という、
加害者にとっても忘れたい事実もあるのだろう。
「子供たちの王様」のテーマを受け継ぐ作品は日本のTVCMにあった。
ファンタの「3年C組ドラゴン先生」にっ!!!!←半分本気
ガジュマルの丘へ(97年)胡炳榴監督の上海のひねくれ老人と
北京好日(92年)当時の北京の頑固老人の日常は
ドキュメント風作品として面白い。
*1:「人生は琴の弦のように」(91年)覇王別姫(92年)へと繋がる