前略。スターリン(旧ソ猫を噛む)

好きなドキュメンタリーと音楽と旅を楽しむ前提で原発の今

「イラン映画祭2004」

低空飛行(2002年作品)

イランの大衆の感情を代弁するアクション仕立ての作品を連打し、圧倒的な人気を誇るハタミキア監督の大ヒット作。家族とともに移民を試みるべく、航空機をハイジャックする男を描いたアクション映画。

プロペラ中型機に一族を「出稼ぎ」と偽り乗せて、客の半分が身内の密室劇が進む。濃厚な家族愛の喧嘩と、拳銃の所有をめぐって状況は二転三転する。母は強し。
ハイジャック犯に便乗して男供が外国移住を夢見て共犯したりドタバタは絶えない。妻役のレイラ・ハタミが綺麗すぎて綺麗過ぎて、貧困を訴えられてもリアリティが…
02年度モントリオール映画祭で最優秀女優賞を別作品で取っているので実力あり。


ボイコット(1986年作品)

自身の監獄体験をもとに映画化し、マフマルバフ監督が初めて映画作家として認められる契機となった作品。冒頭の街頭での激しい銃撃戦と、後半の監獄の超現実主義的なイメージが強烈なインパクトを残す傑作。のちに監督として「運動靴と赤い金魚」('97)などを撮るマジッド・マジディが主演を務めている

日本でよく公開されている監督。自分が見た作品だけでも→サイクリスト(89年)
カンダハール(01年)アフガンアルファベット(02年)など多数。
派手なカーチェイスや市街戦とか娯楽的要素盛り沢山、でも内容は実に重い映画だ。最低でも半年以上かけて、じっくり咀嚼し考えるやうな秀逸な作品だ。獄中での「コミュニスト組織」が凄まじい。王制での恐怖警察に虐げられながら妻と乳児の為に生き延びようとする男の物語・・・。


自転車で移動。京橋のフィルムセンターで
ロージャー(92年インド)を観る。
マニラトナム監督の三部作の一つとされる、とネット上で先程知った。ボンベイ(95年)ディルセ(98年)は観ていたので三つ観た事に。残念。新婚さんが紛争地にハネムーン旅行…この段階で感情移入できず。
個人的には、あえてインド国内で不評だったというディルセをお奨めしたい。印度映画に常時入ってる「愛国心」は上手に混ぜてくれないと困る。
こんなプチ・ゲッペルス風な感想をブログに書くのはどうかと思うぞ。