前略。スターリン(旧ソ猫を噛む)

好きなドキュメンタリーと音楽と旅を楽しむ前提で原発の今

臨済・荘子 前田利鎌著

臨済荘子 前田利鎌著
岩波文庫33-179-1)

臨済・荘子 (岩波文庫)

臨済・荘子 (岩波文庫)

p91禅天魔より引用。丹霞然(たんかねん)禅師の故事。


丹霞は冬の最中に洛京の恵林寺を訪れた。ところが北風肌を裂くほどの寒さである。彼は暖を取るために、いきなり本堂から木仏の本尊様を抱え卸して来て、頃合の座を占めて焚火をやった。彼がこの焚火に尻を炙って好い気になっていると、これを知った院主が飛び出して来てその暴状をなじった。丹霞の答が振るっている。彼は徐に杖を以って灰を掻き廻しながらいった。
「俺は仏を焼いて舎利を取りたいと思ってるんだ。」
愚鈍な院主にはこの揶揄が解らない。
「木仏に何んで舎利なぞあるものか。」
「何だ、舎利がないというのか。舎利もないような贋せ仏なら、いっそついでに二人の脇侍(きょうじ)も焼いちまおうよ。」

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アフガニスタンの仏像は破壊されたのではない恥辱のあまり崩れ落ちたのだ

アフガニスタンの仏像は破壊されたのではない恥辱のあまり崩れ落ちたのだ

  • 作者: モフセンマフマルバフ,Mohsen Makhmalbaf,武井みゆき,渡部良子
  • 出版社/メーカー: 現代企画室
  • 発売日: 2001/11/01
  • メディア: 単行本
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バーミヤンの石仏は破壊されたのではない。
衆生を救えない恥辱で自ら崩れ落ちたのだ。
モフセン・マフマルバフ