前略。スターリン(旧ソ猫を噛む)

好きなドキュメンタリーと音楽と旅を楽しむ前提で原発の今

魂のそよかぜ / 女房の夫を探して

四本観てる!!
四本とも個性の強い映画なのに勿体無い。
もっと余裕をもって観たいものだなと・・・。


『魂のそよかぜ』(Breeze of the Soul) シリア1997年
アブドルラティフ・アブドルハミド(Abdullatif Abdulhamid)監督

心優しく明るいサミルは、マリアンとお互いに一目惚れ。しかしマリアンには許婚のユセフがいた。古き良きハリウッド映画を彷彿とさせるようなユーモアとペーソスに富むエンターテイメント映画。秀逸な音楽も聴き逃せない。

11時の回で観る。
監督は友好国ソビエトのモスクワ国立映画大学卒。
シリア国内唯一の商業採算の取れる映画監督という。
確かにアラブ歌謡を散りばめた幻想的映像かつコミカルな作品だった。
一番気に入ったシーンは、近隣の老人が主人公に「新しい小話を聞かせて」とせがみ、
心臓に悪いから医者に止められてると妻にたしなめられると、怒りで激昂し具合が
悪くなるところ。たしかに笑いを禁止された生活は死に等しいかも。


『女房の夫を探して』(Searching for My Wife's Husband) モロッコ1994年
ムハンマド・アブデッラハマーン・タージ(Mohamed Abderrahman Tazi)監督

3番目の妻と三度目の離婚をしたハッジ。後悔するが、四度目の結婚は相手が一度離婚しない限り許されない。妻を取り戻すために妻の夫探しをするという、イスラーム社会ならではの矛盾に満ちたハッジの試練が始まる。90年代におけるモロッコ映画再生の口火を切った大ヒット作。

13時の回で観る。
第一夫人は母親のように夫をあやす。第二夫人は子育てと家事をテキパキ仕切り、第三夫人は夫や街の男を手玉にとって楽しんでいる。財力があっても妻が三人いても男は死ぬまで「こども」なのだと思えるコメディ作。御屋敷の涼しげな吹き抜け構造も面白い。